恋

カップル越しの秋 −大島智衣の「oh! しまった!!」第46回
朝、駅からのバスに乗り込んだのは、純真な感じの若く初々しいカップルと私だけだった。 バスの中は静かだった。やけに静かで、なんだか違和感を感じた。 と、真ん中くらいの座席に座っていた私は、後方のカップルが気になり始めた。 …

スーパーボール効果 −大島智衣の「oh! しまった!!」第35回
私もたいがい「考え過ぎ」だが、スーパーボールほど「弾み過ぎ」なヤツもいないと思う。 小学生の一時期、なぜか流行っていたスーパーボールは弾み過ぎて、一度手から放たれ地面に打ち付けようものなら、あらゆる方角へ跳びはねてゆき、…

一旦、持ち帰らせてください! −大島智衣の「oh! しまった!!」第24回
「一旦、持ち帰らせてください!」 医師から手術を薦められ、ひよった私の口から出た言葉がこれだった。 我ながらなんてさらりと便利な言い回しが口をついて出てきたのだろう。 貧血改善の為に一泊二日で帰宅できるという簡単な手術だ…

エントランスまで行った。 −大島智衣の「oh! しまった!!」第19回
始発待ちのカラオケボックスで、ザ・イエローモンキーの熱いエモ曲『球根』を歌いながらホント、明け方にひとりでなにやってるんだろうと思った。 私なんかの弱っちい声帯じゃ、圧倒的なボーカル吉井和哉氏の声量の10分の1も出やしな…

妖怪 “寝テル間ニ靴下脱ガシ” −大島智衣の「oh! しまった!!」第12回
目に見えないものは存在しない。というけれど、唯一いるんじゃないか?と思うのは妖怪“寝テル間ニ靴下脱ガシ”だ。 絶対に気づかれない流れるような優しい手つきで、人が寝てる間にそっと靴下を脱がす妖怪である(想像)。 前世にて、…