お伊勢参り。



伊勢市駅から外宮に向かう参道には古くから残された建物がいくつも在る。
このままピカピカの新しい建物に変わらずに在って欲しいと思う。
宿を決める時に古く趣のある宿を選ばなかったのだから、勝手も甚だしいのだが。

初めての外宮はとても心地良いと感じた。
美しく、丁寧で、過ぎない。


お参りの時には御本殿は扉の奥で、ちらりと見える金色の屋根はもうちょっとだけ見たいのに、
と欲が湧き、人の慎みというものを試されているような気分になる。
正宮と別宮を順番にお参りして、神様のお姿を想像する。

神馬。
神様が騎乗する馬。
祈願のために奉納された馬。


小さな鏡のようにきれいな池だった。

内宮へ。

テレビで見た五十鈴川を一度この目で見たいと思っていた。
川の水に手を浸して、満足する。

人の小ささを改めて知る。


この橋は本当に美しい。
渡るだけで気持ちが良いのはなぜだろう。

25年以上前に一度だけ、内宮にお参りしたことがある。
志摩での撮影で、スタッフ全員が東京からロケバスで向かった。
気心の知れた仲の良いチームだったので、
「せっかくだから伊勢神宮に行こう!」と揃ってお参りをした。
あれは着いた日だったか、帰る日だったか、思い出せない。
顔ぶれはちゃんと覚えている。
わいわいと訪れた場所の神聖さに驚いた。
ここには神様が本当にいるんだ、と大きな樹を見上げて思った。
二千年もずっとここに。
もう一度ちゃんと、と思い続けていたので念願叶っての旅。

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