
1月1日に86歳の誕生日を迎えた方に、少し遅くなったお祝いと新年のご挨拶に伺った。
いつものケーキを持参する。
わたしたちが訪ねるといつも満面の笑顔で、立ったままで話題が次へ次へと移り楽しそうだ。
この日は、12歳まで育った韓国への思いを興味深く伺う。
幼い頃の写真も見せて頂いた。
ジャーナリストだった彼女の部屋は資料が多く、今も調べものと勉強の日々と聞き、
しゃんと伸びた背筋は精神そのものと尊敬する。

低層の集合住宅が好きだ。


初めての蕎麦屋で、夕食前なのにおやつと称して十割蕎麦を頂く。
濃いつゆにささっとつけて、旨し。
蕎麦の後に供された栗の渋皮煮がこれまた旨かった。

或る日の月。

或る日の落書き。
次の日には消されていた。
子供の落書きは残しても良い、って誰かが言ってくれたら良いのにと思う。

きれいな空の色だった。



時折、門の前を通るだけだった月窓寺にお詣りに行った。
このお寺の土地を借りて吉祥寺駅が在るのではなかったか。
国鉄の駅をどこに造るかという話になった時に、
敷地の端っこをどうぞと、確かそんな話だったような。

三蔵法師がいらして驚いた。

大きな樹に咲く花のそばまで行きたかったのだが、囲われていて叶わなかった。

「kotoba」という季刊誌で相原透さんが纏められた岸恵子さんのインタビューを拝読。
岸恵子さん、憧れの女性と言っても良いかも知れない。
『男はつらいよ 私の寅さん』で着ていらしたトレンチコートの鮮やかな赤い内布が忘れられない。
若い頃にエッセイを読み、フランスでの暮らしを知り、いろいろなことを思った。
そのインタビューは「岸恵子」という映画のシノプシスのようだった。
『Love Letter』という1995年の映画を久し振りに観た。
静かで、軟らかくて、懐かしくて、切なくて、雪が優しい。
何年かに一度、細かいところを忘れて来た頃に観る。
あぁ、1月も終わりだ。
正月からやり直したい。