
最近繁盛している友人の店は都会のおしゃれな街や、
百貨店や、駅の売店のような小さな店まで観光名所や至る所にあり、
こんなに近いのにあっちにもこっちにもあるのか、と驚く。
東京を引き払い、故郷に帰った若い友人が恋人を連れてやって来た。
最後の1年ばかりをとても密に会っていたので、
いなくなったらさぞや淋しいだろうと思っていたが、
意外にそうでもないのでわたしは冷たいんだな、という話を一昨日していたのだ、
と彼女に話している。
彼女の新しい恋人はひょろりと背が高く、笑わない。
髪は無造作で、目が小さい。
ちょっと笑ってくれないと人柄がわからない、とわたしは思っている。
彼女が少ししっかり者になっているように見えた。
そのことが、離れて随分と時間が経ち、
はっきりと別の場所で暮らしているのだということをわたしに認識させた。
洋館造りの最近できた観光地は建物の前に東家が在り、
その周りがぐるりとロータリーになっている。
その東家も友人の店になっていた。
そこに大きな押し車に積まれたゴミバケツが運ばれて来た。
大きな蓋を開けると75Lのゴミバケツが6個入っている。
その内の3つは以前わたしの実家で使っていたトタンのゴミバケツで、
わたしは蓋が1つないことを貸したのだからちゃんと返して欲しいと大きな声で言ったが、
蓋が2つ重なっていることに気づき、あったあった、とまた大きな声を出す。
わたしは夢の中でもわたしなのだ。
トタンを白く塗ってあるゴミバケツもあり、それは東家の友人の店のだな、と思っている。
陽射しが、夏だった。
夏は夏だというだけで、それだけで良い。
ロータリーをまた別の友人が歩いて来る。
なにをしているのかと尋ねると、
この洋館で自分が関わった洋服を売っているからと誘われて中に入る。
若者向けのブランドとのコラボレーションだとかで、トレーナーと本が並んでいる。
トレーナーの前面には、プリント部分を四角く切り取った布が何枚もずらして縫い止められている。
一番手前にあるのは「どこでもトンネル」のイラストで、
暗い中にトンネルが在り、街灯が黄色く点いている。
夜なのか、と思う。
一応、ペラペラとめくって見る。
友人は「ほら、どこでもトンネルでゆえちゃんがやって来るんだよ、良いでしょう」と薦める。
それを着ているとわたしがトンネルを抜けてどこかへ行ける、というイメージらしい。
どこへ行けと言うのだ。
本にはなにが書かれているのかと開いてみると、
手書きの文字がそのまま印刷されてあった。
ページの上段にコラボ相手のブランドのデザイナーがなにやら洒落たことを書いており、
下段に日記のようなものが友人の筆跡で書かれていた。
へぇ~、と思う。
そこで手が痺れて目が覚めた。
長くて変な夢だった。
登場人物が現実にいる人だと、とても疲れる。
翌々日の夢にもコラボ手書き日記の友人が出て来てなにか言っていたけれど、
面倒なので忘れることにした。
夢は、登場人物が呼んでいると言うけれど、どうなのか。
呼んでないよ、と言われたらそれはそれでもやもやとしそうである。
